こんにちは!EOSで撮る風景写真 のブログを運営しているfujiです。
日本の原風景である棚田は高いところから低いところへ階段状に田んぼが作られ、美しい景観を見せてくれます。
定期的に棚田へ通うと、稲が育ち収穫されるなど季節毎に景色が変わるのを実感することが出来ます。
この記事では新たに「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~(ポスト棚田100選)」として選定された山口県を中心に九州~中国地方の棚田について、ご紹介していきます。
つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~
棚田地域では、農家の高齢化や担い手不足により従来にも増して保全活動が困難になってきており、貴重な棚田の維持が難しくなってきています。このような中、棚田地域の維持や支援を強化していくために棚田地域振興法が2019年に施行されました。
2021年から、「ポスト棚田百選」の名称募集や対象棚田地域の選定が進められ、優れた棚田を認定する取組として「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」が行われることになっています。
白米千枚田(石川県輪島市)
白米千枚田は能登半島の海岸沿いをぐるっと一周する道路沿いにあります。
世界農業遺産として選定されている「能登の里山里海」の代表的な棚田で国内で最も有名な棚田の一つです。山裾にあり、傾斜が急であることから1つ1つの田が小さく、千枚田の名に相応しくたくさんの田んぼからなる棚田です。
「昔ながらの手作業によるお米づくり」をキャッチフレーズに棚田の保全活動が行われています。日本古来の水苗代と呼ばれる苗の育て方やはざ掛け等の伝統を保存されています。
室谷の棚田(島根県浜田市)
「日本海を見晴らす棚田 鉄穴流しの跡は天空に続く」をキャッチフレーズに、農地保全に関わる活動に努められている地域です。
大麻山のふもとに位置し、約4000枚と言われる棚田の向こうには日本海が見渡せる絶景の棚田景観を見ることが出来ます。
大井谷の棚田(島根県吉賀町)
「未来へつなぐ棚田保全。」をキャッチフレーズに棚田オーナー制度、棚田トラスト制度に取組み、棚田まつりやライトアップ事業等を行っています。
急峻な山肌に形の良い棚田が築かれ、駐車場脇にある展望台から全体を眺めることができるようになっています。
高野の棚田(山口県下関市)
「レンゲとコスモスで地域おこし!」をキャッチフレーズに法面の崩壊を未然に防止するための定期点検と、水路・農道の定期的な除草作業を行う等、棚田景観の維持に努められています。
川棚温泉駅から東へ数百mの距離にあり、住宅街の奥へはいると棚田景観になっています。
吉敷畑地区の棚田(山口県山口市)
「地域一体となり農地(棚田)を守る!」をキャッチフレーズに鳥獣防止柵の設置や法面の防草シート敷設や芝桜による景観向上に取り組まれています。
元は700枚の棚田でしたが、公的な交付金等の活用にも積極的に取り組み圃場整備を進めて150枚の棚田として農業機械の共同利用等も含めて地域一体となった農地を維持向上させるための活動が行われています。。
山口市内から美祢方面へ向かう国道435号沿いにあることから、芝桜で彩られた棚田が行き交う人々の目を楽しませてくれます。
東後畑の棚田(山口県長門市)
「動け未来!ときめく棚田大作戦」をキーワードに美しい棚田景観を通した地域活性化の活動をされています。
残念ながら耕作放棄地になってしまった棚田を再生し棚田の花段として再生したり、棚田ハーブマルシェを設置する等、訪れた人たちがリラックスしてくつろげる空間作りにも積極的です。
日本海に面しており、夕暮れ後のブルーモーメントに撮られた棚田と漁火の写真が定番です。
大道理鹿野地の棚田(山口県周南市)
「五感で感じる芝桜の里づくり」をキーワードに棚田保全活動をされている棚田地域です。
棚田の畦の除草は棚田景観を維持していく上で非常に大変な作業になります。除草の負荷をなるべく減らしながら、美しい棚田景観をということで防草シートで雑草の繁茂を防ぎつつ芝桜で彩りを添える取り組みをされています。
芝桜は4月中旬~下旬に掛けて見ごろを迎えます。
中須の棚田(山口県周南市)
棚田清流の会を中心に「くらしがいを見つけられる郷づくり」をキャッチフレーズにした活動をされています。
棚田オーナー制度やフォトコンテストの他、地元の小中学生を中心とする農業体験交流等も行われています。また、農家レストラン「食事処たまちゃん」や加工・販売所「里のはな」等の訪れた人が楽しめる施設も作られています。
見晴らしの良い高台には展望台が設置され、素晴らしい棚田景観を見ることができます。
石ノ口の棚田(山口県田布施町)
「未来へつなぐ棚田の維持・保全」をキャッチフレーズに、棚田を残していくために積極的な活動をされている地域です。
石城山麓の傾斜地に広がる地域ですが、2つの大きな溜池を残しつつ、農地を集約して大区画に整理することで手入れがし易く耕地の利用率を高める活動をされています。
また、地域の共同作業で法面や水路の手入れをされ、将来に渡って棚田景観を維持していくための努力をされています。
木与の棚田(山口県阿武町)
「江戸からの継承、伊能忠敬の恵みを今に!」をキャッチフレーズに、棚田を残していくために積極的な活動をされている地域です。
日本海に面する大急峻な山肌に規模な棚田が築かれています。色鮮やかな夕焼け空が棚田に反射する様は感動的です。
中山千枚田(香川県小豆島町)
小豆島の中心やや西寄りに中山千枚田があります。「つなぐ!中山千枚田の景観と伝統文化」 をキャッチフレーズに保全活動に取り組まれており、農村歌舞伎や虫送りなどの農村文化を後世に伝える活動をされています。
浜野浦の棚田(佐賀県玄海町)
玄界灘に面した浜野浦の棚田は夕暮れ時に棚田が夕日の色に染まり、非常に素晴らしい景観が見られます。見学し易い展望台も整備され、棚田ファンなら一度は足を運んでみたい棚田になっています。
「ふるさとを未来へつなぐ」をキャッチフレーズに保全活動が行われており、「浜野浦の棚田米」としてブランディングを図ったり、豪雨被害で被災した石積みを活用した石積み講習会や大学生を対象に田植えのイベントを開催したりと活発に活動されています。
まとめ
この記事では「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~(ポスト棚田100選)」についてご紹介しました。
他にも日本全国に素晴らしい棚田がたくさんあります。カメラを持って棚田に出かけて頂き、棚田のある風景が長く維持されていくことにつながればと思います。