こんにちは!EOSで撮る風景写真 のブログを運営しているfujiです。
日本の原風景である棚田は高いところから低いところへ階段状に田んぼが作られ、美しい景観を見せてくれます。
定期的に棚田へ通うと、稲が育ち収穫されるなど季節毎に景色が変わるのを実感することが出来ます。
この記事では「やまぐちの棚田20選」として選定されている山口県の棚田について、ご紹介していきます。
やまぐちの棚田20選
山口県は海と山に囲まれ平地が少ないことから、中山間部を中心に多くの棚田が築かれています。往来が不便な中山間部では過疎化・高齢化が進み、素晴らしい棚田も存続の危機に瀕しています。
山口県内各地の棚田ではこういった状況を何とか食い止めようと、棚田保全活動が行われています。「やまぐちの棚田20選」は県内の棚田保全活動に対する支援をしていくために、山口県民に広く棚田の存在を知ってもらい、理解と協力を得ることを目的に2009年に選定されました。
上沼田地区の棚田(山口県岩国市)
上沼田地区は山口県岩国市の北部、島根県との県境付近で国道434号線から山道を登っていったところにあります。
標高400mを超える山間部に位置しており、大きな街から離れていて過疎化・高齢化が進んでいる地域になっていますが、棚田の保全に積極的に取り組まれている地域です。
道路が細い一本道だったり、棚田の傾斜が急で全体を俯瞰的に撮れる場所が少なかったりしますが、近くの山々を背景にダイナミックな風景を楽しみながら撮影することができます。
日向平地区の棚田(山口県平生町)
日向平地区は大星山の風力発電所に近い平生町大野南の山間にあり、かつては大規模な棚田が形成されていました。
少子高齢化にともない耕作放棄地も増えて来ていますが、地域の青年が中心となって「日向平浪漫夢倶楽部」が結成され、棚田の保護活動や休耕田での牛放牧やレンゲの植え付けなどの保全活動がされています。
4月~5月に掛けては集落の家庭で不要になった鯉のぼりを活用し、棚田をバックに鯉のぼりがあげられます。
小畑地区の棚田(山口県周南市)
小畑地区は周南市街から車で直ぐに行ける距離にあります。永源山公園から国道489号線を北上すると直ぐに素晴らしい棚田景観を道路沿いに見ることができます。
中でも広谷の棚田は四熊ヶ岳を見上げるように大規模な棚田が築かれています。
四郎谷地区の棚田(山口県周南市)
四郎谷地区は昇仙峰の麓に位置し、三方を山に囲まれ正面は瀬戸内海という場所にあります。
周南市と防府市の市街地のちょうど中間地点付近に位置し、街明かりが少ないことから夜には満点の星空を見ることができます。
井谷地区の棚田(山口県周南市)
井谷地区は周南市の新南陽駅から車で北へ15分ほど行ったところにあります。
県道からも素晴らしい棚田景観を見ることが出来ます。
大道理鹿野地の棚田(山口県周南市)
大道理鹿野地地区は周南市の新南陽駅から菊川湖に向けて北上し、そのまま島地川ダムへ向かって進んだところにあります。世帯数がおよそ11戸と比較的小規模ですが、市街地から車で30分弱と交通の便は良いところにあります。
「大道理百笑倶楽部」の方々が中心となり、棚田の法面に防草シートを敷いて芝桜を植える活動をされています。また、高台には手作りの展望台も作られています。
芝桜の見ごろは4月中旬~下旬に掛けて。鮮やかに彩られた棚田を一目見ようと、多くの方が訪れて賑わいます。
中須北地区の棚田(山口県周南市)
中須北地区は周南市の市街地から車で30分弱の距離にあります。地区内に主に5つの集落があり、すり鉢状になった棚田地域をグルっと周回できる道路一周することが出来ます。
「棚田清流の会」を中心に棚田の保全活動や、駐車場付きの展望台が用意されたりフォトコンテストなども開かれています。
また棚田のオーナー制度や体験教室なども活発に行われ、棚田を中心にした地域活性化の活動が行われています。
吉敷畑地区の棚田(山口県山口市)
「吉敷畑の棚田」では、西鳳翩山の麓の傾斜地で17ヘクタールに渡り広がる素敵な棚田景観を見ることが出来ます。
地元の吉敷畑営農生産組合や吉敷畑みどりを守る会の方々が、棚田の畔や法面の定期点検や補修をされてきましたが、2015年からは防草シートによる省力化と景観向上のための芝桜植栽に取り組まれています。
山口市内から美祢方面へ向かう国道435号沿いにあることから、芝桜で彩られた棚田が行き交う人々の目を楽しませてくれます。
三谷地区いしがきの棚田(山口県山口市)
三谷地区は徳地から鹿野へ向かう県道沿いにあり、石垣でできた棚田が残る地域です。
「棚田オーナー制度」を作り、棚田オーナーと田植え、草取り、稲刈り、籾摺りなどの作業を一緒に行う活動を通じ、周辺地域との交流が図られています。行っている。
愛の藤橋と呼ばれるようになった藤の名所があり、4月下旬になると藤の花キレイに咲きます。また、9月後半には彼岸花も見られます。
中ノ森地区の棚田(山口県長門市)
東後畑を通って向津具半島を更に進むと中ノ森地区の棚田を見ることが出来ます。
この地域の棚田は、日本海からの強風から稲を守るために暴風垣としてシャシャキ(ヒサカキ)の木が植えられていることが特徴です。田の畔が暴風垣で縁取られた独特の風景を見ることが出来ます。
また、コバルトブルーとキレイな日本海の風景も併せて、素晴らしい景色になっています。
東後畑地区の棚田(山口県長門市)
東後畑地区の棚田は向津具半島の付け根付近に位置しています。
この地域は小高い山のすそ野が海岸まで続いており、眼下に日本海をのぞむ素晴らしい景観になっています。5月~6月には日本海へ夕日が沈んだがあとで沖に出たイカ釣り漁船の漁火が輝き、素晴らしい風景を見ることが出来ます。
展望台に加えて、休耕田を転用した花壇なども整備され訪れる人たちが楽しめるようになっています。
まとめ
この記事ではやまぐちの棚田20選についてご紹介しました。
山口県内にはまだまだたくさんの素晴らしい棚田があります。
本記事をキッカケにカメラを持って棚田に出かけて頂き、棚田のある風景が長く維持されていくことにつながればと思います。
山口県「やまぐちの棚田20選」